auビデオパスはKDDIが運営する、auユーザーのみ利用可能な動画配信サービスです。月額料金は割安ですが、他社の動画配信サービスと比較してみた場合、配信作品のラインナップ数、サイトやアプリの安定性など、その内容は正直見劣りしてしまいます。auユーザーであっても価格重視ならdTV、動画視聴をもっと楽しみたいならHuluやU-NEXTのほうが満足度が高いです。ただ、他社にはないauビデオパスならではの特徴もあり、その特徴を活かせる人にとっては月額料金分の元が取れるサービスになっています。
月額料金(税抜) | 562円(※) | 無料お試し期間 | 1ヶ月間 |
---|---|---|---|
作品数 | 10,000以上 | オフライン再生 | ○ |
(※)Smart TV Box・STW2000利用者向け限定プランあり
PC / MAC | ○ | スマホ | ○ |
---|---|---|---|
タブレット | ○ | ゲーム機 | × |
FireTV/Stick | × | AppleTV | ○ |
Chromecast | ○ | 専用STB | 有 |

この記事のトピックス(目次)
auビデオパスの料金プランは3種類
auビデオパスの料金プランは以下の3種類です。
プラン名 | 料金(税抜) |
---|---|
見放題プラン | 560円/月 |
R-20見放題プラン | 2,500円/月 |
レンタル(個別課金) | 100円〜 |
以前は「30日プラン」というiOS版アプリからのみ利用できるプランがありましたが、2016年12月13日をもって終了しています。
それぞれのプランについて、詳しくみていきましょう。
見放題プランは競合他社と比べて割安の部類
レンタル対象以外は月額料金だけで無制限に何本でも観れるのが見放題プランです。
月額560円というのは、他の動画配信サービスと比べて高いのか安いのか、比較してみました。
参考:月額料金(当サイト調べ)
Amazonプライムビデオの年間プラン
最高値:2,417円
TSUTAYA動画見放題&宅配レンタルプラン
16社平均:992円
※いずれも税抜
こうしてみると、平均よりは安いですが最安値とまでは言えない金額ですね。
レンタルの価格帯は100円から
続いてレンタルプランについてです。これは、見放題プランに登録していなくても利用できる、いわゆるPPV(ペイ・パー・ビュー)形式で、1作品ごとに課金して視聴するプランです。
レンタル視聴するには一定の期間があり、購入後はその期間中に視聴する必要があります。また、価格は作品後に異なっています。このあたりは他の動画配信サービスも同じで、違いはレンタル期間の長さと価格の高低です。
では、auビデオパスのレンタル期間と価格帯はどのようになっているのでしょうか。各カテゴリごとに数作品ピックアップして調べてみた結果がこちらです。
カテゴリ | レンタル期間 | 価格(税抜) |
---|---|---|
映画 | 2〜3日間 | 200〜500円 |
ドラマ | 3〜7日間 | 260〜300円 |
TVアニメ | 2〜7日間 | 100〜325円 |
最新作であるほどレンタル期間が短く、価格が高くなる傾向にあります。
先行配信作品の中には1,000円以上する作品もある
ほとんどの作品は、上記表にあるような価格設定になっています。
しかし、「先行配信」と呼ばれる、一般のレンタル開始日よりも前にレンタル購入できる作品があり、これらの作品はさらに価格が高く設定されています。
一例をあげてみましょう。男の子に人気の仮面ライダーシリーズの最新作、
「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーブレイブ&スナイプ」
です。こちら、いくらかかると思います?
ズバリ、、、1,389円でした・・・高っ!
ただ、公正を期すために言うと、これはauビデオパスがボッタクリ価格を設定しているわけではありません。
版権元のバンダイがそういう金額で各社動画配信サービスへ卸しているのです。
試しに同作品をAmazonビデオとU-NEXTでも調べてみました。
Amazonビデオ:1,500円(税込)
U-NEXT:1,620円(税込)
1,389円を税込に換算すると1,500円なので、同じ価格になります。
価格の例
カテゴリ | 作品名 | レンタル期間 | 価格(税抜) |
---|---|---|---|
先行配信 | ブレードランナー2049/吹替 | 3日間 | 700円 |
先行配信 | 仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング 仮面ライダーブレイブ&スナイプ | 2日間 | 1,389円 |
洋画 | ティファニーで朝食を/吹替 | 2日間 | 200円 |
洋画 | バイオハザード:ザ・ファイナル/吹替 | 3日間 | 350円 |
洋画 | ジュラシック・ワールド/吹替 | 2日間 | 350円 |
洋画 | パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊/吹替 | 3日間 | 500円 |
邦画 | 銀魂【小栗旬主演】【福田雄一監督】 | 2日間 | 500円 |
邦画 | 昼顔【上戸彩、斎藤工出演】 | 2日間 | 500円 |
海外ドラマ | クリミナル・マインド/FBI vs.異常犯罪 シーズン7 第02話/吹替 | 3日間 | 260円 |
海外ドラマ | デビアスなメイドたち シーズン3 第02話/吹替 | 3日間 | 260円 |
国内ドラマ | anone(2018/01/24放送分)第03話 | 7日間 | 300円 |
国内ドラマ | ドクターX -外科医・大門未知子-(2017)(2017/10/19放送分)第02話 | 7日間 | 300円 |
TVアニメ | BORUTO-ボルト- NARUTO NEXT GENERATIONS 第02話 | 2日間 | 100円 |
TVアニメ | おそ松さん 第2期 第02話 | 2日間 | 100円 |
TVアニメ | タイムボカン 逆襲の三悪人 第04話 | 7日間 | 200円 |
TVアニメ | ダーリン・イン・ザ・フランキス 第02話 | 7日間 | 325円 |
毎月付与される540円分のビデオコインでも視聴可能
ビデオコインとは、何かと話題の仮想通貨・・・のことではなく、レンタル作品購入に1コイン=1円分としてつかえるauビデオパス内で利用できる独自ポイントのことです。
このビデオコインが、見放題プランに登録している人は毎月540コイン付与されます。
レンタル作品の価格相場は先程ご紹介したように、TVアニメなどは1話100円から、最新作の映画で500円ほどです。
毎月1本程度の最新作映画が見れるので、もし毎月1本以上レンタル作品を購入する人は、見放題プランに登録したほうがおトクです。
1点知っておくべきことは、全てのレンタル作品に対してこのビデオコインが使用できるわけではない点です。
R-20見放題プランならアダルト作品も観れるが・・・
Smart TV BoxまたはSTW2000のデバイスを持っている人限定で、R-20作品を最大120本視聴できるプランです。
Smart TV Boxとは、KDDIがケーブルテレビ会社向けに開発したAndroid(TM) 4.0 搭載のセットトップボックスです。STW2000は、「auひかり」テレビサービスを利用する際に必要なセットトップボックスです。
このプラン、はっきり言って価格に見合った内容とはとても言えません。まず、月額2,500円というのが高すぎます。同じ値段を払うなら、U-NEXTのほうが月額1,990円(税抜)で安い上にコンテンツ内容も充実しています。
R-20(つまりアダルト作品)が見れるという点が売りなわけですが、最大で120本しか見れません。アダルト作品目的なら、DMM見放題chライトという動画配信サービスのほうが、月額500円(税抜)でさらに多くの作品を視聴できます。
作品数は約1万と少なめ。ただ特撮モノには強い
洋画 | ○ | 邦画 | ○ |
---|---|---|---|
新作映画 | ○ | アニメ | ○ |
海外ドラマ | △ | 国内ドラマ | △ |
スポーツ | × | アダルト | × |
auビデオパスの配信対象作品数は約1万本です。これは他社と比べると少ない部類になります。以下、主要動画配信サービスの配信本数をご参考までに掲載します。
- Hulu:4万本以上
- dTV:12万本以上
- U-NEXT:12万本以上
dTVやU-NEXTの場合、カラオケ用の作品などもカウントされているので一概には比較できませんが、それでもユーザーの口コミをみてみると「自分が観たい作品がない・・・」と感じる人が多いようです。
ただ、auビデオパスは仮面ライダーなどの特撮モノには強いようで、男の子のお子さんがいるご家庭などでは比較的手頃な価格で特撮モノの作品をたくさん楽しめるので満足度は高い傾向が見受けられます。
あとは個人的には『銀河英雄伝説』というアニメシリーズが見放題プランで配信されているのはポイントが高いです。スペースオペラと形容される、壮大なSF大河ストーリーが魅力のOVAで、根強いファンがいるのですが、配信しているサイトが少ないんですよね。。。
なので、単純に1万本だから他社より少ない=自分にとって観たい作品が少ないとは限らないので、まずは自分の興味がある作品が配信されているか実際にサイトで検索してみるとよいです。
スマホやタブレット以外にも、パソコンやTVで視聴可能
auビデオパスは、auユーザー向けサービスなので、スマホやタブレットなどでしか視聴できないイメージがありますが、パソコンやTVでも視聴できます。
パソコンの場合は特別な機器は不要で、ブラウザからアクセスしてすぐに観れます。テレビで観る場合は、auビデオパス対応のテレビやブルーレイレコーダー、またはChromecastなどの機器を使います。
PC/MAC | ・Microsoft Windows 7以上 ・Mac OS X 10.5.7以上 |
---|---|
スマホ | ・iPhone:iOS7.0以上 ・Android:4.0以上の端末 |
タブレット | ・iPad:iOS7.0以上 ・Android:4.0以上の端末 |
STB | ・Smart TV BOX / Stick ・AppleTV ・Chromecast ・STW2000 |
ゲーム機 | 非対応 |
その他 | ・auビデオパス対応のテレビ、ブルーレコーダー・プレーヤー |
※最新の対応機器情報は公式サイトでご確認ください。
これは嬉しい!ダウンロードしてオフライン再生が可能
動画配信サービスを外出先でも使いたい場合に重要なポイントなのが、作品をスマホやタブレットにダウンロードできるか?という点です。
ダウンロードすることができれば、外出先ではデータ通信が発生しないため、通信量を気にせずオフラインで楽しむことができます。
いくつか制約事項があるのでご紹介します。
まず、1つのデバイス上にダウンロードできるのは最大5本までで、それ以上ダウンロードしたい時には一度他のダウンロード済み作品を削除してから実行する必要があります。なお、ダウンロードが可能なデバイスは1台のみです。
また、見放題プランの全作品がダウンロードが可能というわけではありません。
ダウンロードした作品は、視聴できる期間が限られています。
見放題プランの場合、ダウンロード完了後48時間以内(一部作品は24時間以内)、または対象作品の配信終了期間までという制限があります。
画質は最高でもHD画質(720p)まで
auビデオパスの画質は、SD画質(480p)とHD画質720pの2種類に対応しています。
SD画質はDVDと同等レベルの画質で、HD画質はDVDとBlurayの中間の画質レベルです。(BlurayはフルHDで1080p)
主にスマホで使う分にはHD画質でも十分視聴に耐えられる画質です。最近はスマホも解像度が高くなっているので、SD画質だと画像の粗さが気になるかもしれません。
パソコンやテレビでの視聴の場合、SD画質はその画像の粗さが目立ちます。さらに40インチや50インチなどの大型テレビで観る場合、HD画質でも物足りないと感じる人が多いはずです。
同時視聴や複数プロフィール作成はできない
auビデオパスは個人利用を想定しているため、同時に複数デバイスで再生したり、複数のプロフィールを登録して視聴履歴やマイリストを別管理したりといった使い方はできません。
同時視聴や複数プロフィールを作成したい場合、つまり家族や同棲中のカップルで使いたい場合はU-NEXTやHuluが対応しているのでそちらのサービスを検討してみてください。
字幕か吹替どちらかしかない作品も多い
洋画や海外ドラマの場合、字幕と吹替の両方の作品があってどちらか好きな方を選べるのが普通ですが、auビデオパスの場合、片方しかないケースが多いです。
著者の場合、自分が観る時は基本字幕で、「ホームアローン」のような子供と一緒に観る作品の場合は吹替で、という選択が多いのですが、思い通りの視聴スタイルができないのはちょっと残念ですね。
支払い方法はauかんたん決済のみ
支払い方法は、auかんたん決済のみです。auかんたん決済とは、月々の通信料金と合算してauのスマートフォンやPC等で購入したコンテンツの代金を支払いできる決済サービスです。
auかんたん決済は、月々の通信料金に合算して支払う方法が一番簡単でおすすめですが、au WALLET クレジットカードやau WALLET プリペイドカードを使って支払うこともできます。
最大のメリットは映画館の割引
ここまで、auビデオパスのサービス内容を解説してきましたが正直、あまりメリットを感じにくいものばかりでした。
しかし、最後に解説するこの特典が、その他の弱点を補って余りある内容になっています。
それは、「auマンデイ」と「auシネマ割」です。
「auマンデイ」は、毎週月曜日はTOHOシネマズの映画鑑賞料金1,800円が1,100円になるという割引特典です。これは同伴者1名分まで適用できるので、二人で映画を観るなら1,400円もおトクになります。
「auシネマ割」は、ユナイテッド・シネマズのクーポンを提示すると映画鑑賞料金1,800円が1,400円になるという割引特典です。割引額は「auマンデイ」よりも少額ですが、割引対象日は平日だけでなく、土日祝日含め毎日利用できます。しかも、何度でも利用可能で1クーポンにつき鑑賞券3枚までOK、つまり3名分までOKなので最大1,200円もおトクになります。
もしauユーザーで、
- 毎月1回以上は映画館で映画を観る
- 観に行く映画館はTOHOシネマズやユナイテッド・シネマズだ
という人はauビデオパス(あるいはauスマートパスでもOK)に登録したほうが断然おトクです。見放題プランの月額料金の元を取れる以上のメリットがあります。
さいごに
以上、auビデオパスのサービス内容レビューでした!
動画配信サービスを利用したい人の動機って、映画館やレンタルビデオショップに行くのが面倒くさいから、というのが一番大きいんじゃないかと思うんですよね。
なので映画鑑賞料金の割引特典が活かせる人って結構少ないんじゃ、、、と思ったりします。
また、サービス内容も他のサイトと比べると見劣りします。
なので、映画はやっぱり映画館で!という人が、おトクに割引を利用しながらおまけとして動画配信サービスを利用する、という使い方が一番しっくりくるサービスだと思います。
